スライドのやり方

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8/10に富士のショートコースを貸し切って

僕が主催のスライド練習会を行う事になりました。

スクールではなく合同練習会ですが、朝一でスライドのやり方レクチャーくらいしようかと思います。

ですが、練習日の朝にちょっと説明されて

「あ、なるほど!!」

と理解できるほど簡単な事ではない様な気がしたので

ちょっと文章にまとめてみようと思います。

元々スライドが多少できる人は、今回の練習で少しづつスライド量を増やしたり、バンク角を増やしたりする事を意識すれば良いと思います。このコースの外周だけを使ってずっと左廻り走行なので身体の姿勢を変えない状態で何度もコーナーが迫って来るので反復練習としてはやりやすいと思います。

では、

「全くスライドが出来ない人は何から始めるか?」

まずはスライド進入してコーナーを立ち上がるまでの一連の流れを理解しましょう。

(4サイクルエンジンの車両である前提で書きます。)

ストレートを思いっきり加速してコーナーへ飛び込むところからの流れです。

ストレート区間。添付図の赤いラインでしっかりと加速。

  1. シフトダウンと同時にブレーキ開始
  2. 強力なブレーキで一気に車速が落ち、フロント荷重になり、リヤは荷重が抜けやすくなる。
  3. 車速は一気に落ちるが4stだからエンジンブレーキがまだ強く残りリヤがロックしやすい状態
  4. それでもブレーキを強くかけながらバイクを寝かせて曲げて行く
  5. バンク角が増えてくるとエンジンブレーキが残ったリヤタイヤが滑り出し、外に逃げはじめる
  6. それでもバイクを曲げたいので構わず寝かせて行くがリヤタイヤがさらに外に出てくる
  7. リヤの振り出しが大きすぎると、曲がりすぎたりリヤからスリップダウンするのでカウンターをあてて調整する。この時バンク角は深くなってくるが、カウンターをあてる=フロントタイヤが立つのでフロントのブレーキを強くかけても滑らないメリットが発生する=より強くFブレーキを握れる
  8. エンジンブレーキが落ち着き、リヤのスライドが収まるのに合わせてカウンターを戻しながらフロントブレーキをリリースする
  9. 前後グリップした状態でのコーナリング
  10. 、加速しながら立ち上がらる

と、こんな感じ。

①でブレーキをはじめ、③~⑧の間でスライドする感じです。

よく初心者の方は①~④がブレーキ区間、⑤~⑨がコーナリング区間だと思っている方がおりますがそれでは速く走れません。

スライドする・しないに関わらず、①~④はブレーキ前半、④~⑧まではブレーキしながらのコーナリング、⑧~⑨がブレーキを離したコーナリングで⑩からは加速しながらの立ち上がりだと思ってください。 ブレーキとコーナリングは別々ではなく大半を同時に行うという考え方が合ってます。

なので、

「ブレーキとコーナリングは別々だと思っていた」という方は、まずブレーキとコーナリングを同時に行う練習をすると良いでしょう。

※以下「ブレーキ」はフロントブレーキをイメージして読んでください

①から強くFブレーキをかけ始め、⑦まではフルブレーキ。強く握ります。

⑦~⑧の間でFブレーキをリリースして⑧~⑨はブレーキを離した状態で曲がり、⑩でアクセルオン。

この話しをすると、「ブレーキしたまま曲がるとフロントタイヤが滑るでしょ?」と

言われることが多いですが、ブレーキを強く掛けてしっかりフロントタイヤを路面に押し付けると

むしろグリップは増して滑りにくくなりますし、フロントのキャスター角が立ってくるので

小さく曲がる事が可能になります。

急激にやると危ないので少しづつ試してみてください。

これが出来る様になったらいよいよ次はリヤブレーキの解説ですが

基本的にスライドする時は「エンジンブレーキ」がメインで、補助的にリヤブレーキを使います。

なぜかというと、スライドするときはタイヤは完全にロックさせてはいけません。ロックするとコントロールが難しくなり、スライドしてもコーナーを曲がらずにまっすぐ進んでしまいます。

なので「ハーフロック」の状態を作る必要があります。ハーフロックとは

バイクが進むスピードよりもRタイヤが遅く回転する状態。

タイヤはロックしてないけどゆっくり回転しながら滑っているという状態です。

エンジンブレーキだけではこの状態にならない時にリヤブレーキを踏み足していきます。

僕の場合

①でシフトダウンと同時に前後ブレーキ開始。

※スリッパークラッチ付きならシフトダウン直後にパッとクラッチレバーを離します。スリッパーが付いていない場合はクラッチレバーを離し切らず、半クラ状態でエンジンブレーキの利き具合を調整します(①~⑦

④のあたりからフルブレーキのままバイクを寝かし始め

⑥のあたりはこんな感じ。バンクさせる事でリヤが横に出てきて向きが変わり始めています。

さらに寝かしこみ

⑥と⑦の間でこの位。

減速しながらもだいぶバイクの向きが変わっています。

Fブレーキはかなり強く握り、Rブレーキも軽く踏んでいます。

そこからさらに寝かしこんで行き

⑦でリヤだけブレーキを離し始めています。

※オフブーツの場合、足はステップに乗せず、つま先だけでリヤブレーキを踏みます。

理由:適正な位置(割と前)に座った場合、ステップに足を乗せてるとリヤブレーキが踏みづらくなるからです。

⑧で完全にリヤブレーキを離していますが

ここまでバンクするとリヤが滑りやすくなっているので

エンジンブレーキの残りだけでスライドし続けます。

(逆に、この滑りやすい状態でリヤを踏んでるとすっぽ抜けて転んだりします)

雄太君も⑧の位置ではRブレーキは完全に離してますね。

この後、速度が落ち切るとリヤのスライドが止まり、グリップ走行へ移行してコーナリング→加速

となります。

まぁ、このあたりは体感しないとイメージが掴みにくいとは思うんですけど

先に理屈を知っていれば理屈と体感がどこかで交わった時に

「おぉ!!これか!?」

となるのでぜひ知っておいてください。

初心者の方は

最初からスライドでフルバンクまで持って行くのは難しいので

まずはバイクが起きたまっすぐの状態でフロントのフルブレーキ(急制動)から初めて

フロントにしっかり荷重がかかって強くブレーキが出来る状態を体感してください。

次にエンジンブレーキにリヤブレーキを踏み足してハーフロックをさせる練習

ブレーキ開始時にギアを一つ落としたほうがやりやすいです。

右手はフルブレーキ。シフトダウンだけどアクセル煽ったりは必要ありません。

左手はギヤを落としたらクラッチをパッと半クラ状態まで戻し、半クラでエンジンブレーキの強弱を調整。(スリッパークラッチ付きならパッと全部離す)

右足はリヤブレーキに集中。踏みすぎるとロックするのでエンブレに踏み足す感じ。

リヤタイヤから「キー―――――――」というスキール音がしたらロックしてるのでリヤブレーキを踏みすぎです。

「キュッ  キュッ   キュッ   キュッ」と音がする様になればOKです。

リヤホイールがロックしてるかどうか友達に見てもらうのもアリですね。

これを長い距離で出来る様になればだいぶリヤタイヤの滑り具合を制御できている証拠です。

ハーフロックを長く続けるためにはギヤを2個落とすとやりやすいです。

例えば、4速で走ってきて、ブレーキ開始時に2速一気に落とし、強烈なエンブレをクラッチで逃がしながらハーフロックを長く続けるという練習方法です。

それが出来たら、

今度は少しづつバイクを寝かす(曲げて行く)様にします。

そうするとリヤタイヤが少し横に出始めます。

バイクが起きていればリヤが横に出ても危なくないので、これでリヤを振り出す大きさを少しづつ増やしていきましょう。

リヤが上手く流せない場合は、フロントブレーキが弱かったり、身体の重心が後ろに寄りすぎていたりする事も考えられますので

乗る位置を前に寄せてみるのも効果的だと思います。

僕はスライド初期は真ん中くらいに重心を置いておき

後半のフルバンク時は

目いっぱい前に重心をかけています。

左手の甲の上に顎を乗せるイメージと雄太君から教わりました。

いや、しかし

スライドのやり方を文章にするの難しいですねw

これで伝わるのかな?

そもそも合ってるかわかりませんが(笑)僕のイメージはこんな感じです。

あとはスライドしてる人の動画見てイメトレして

実際にやってみましょう。

スライド練習の時に、一番気を付けたいのはハイサイド。

なので、リヤが滑りすぎて

「あ、やばい!!」と思っても

絶対にリヤブレーキは離さないようにしてください。

離した瞬間に反対側に飛ばされます(涙)

7/5追記

今回の記事、Xで拡散してもらってたくさんの人に読んでいただきました。

ありがとうございます。

で、みなさん思うと思うんですよね

「スライドって結局速いの? レースで必要?」って。

ちなみに、僕はレース中はここまではスライドさせません。タイム落ちるので(笑)

でも、この挙動をコントロールする練習にかなり意味があると思います。

特に、スライドってブレーキング技術の向上にもつながりますし

バイクの重心を感じ取る練習にもなると思うんですよ。

バイクって、乗る位置で動きが全然変わる乗り物で、変な位置に乗ってると

速く走れないし、タイヤ滑るし、乗ってて疲れるし。。

でも、重心をとらえるとほんと感動するほど良い動きをするんです。特にモトクロス系のフレームだとそれが顕著。

スライド練習をしながら、

イン側のステップ踏んでみたり

座る位置をちょっと前にしてみたり

頭の位置をゼッケンプレートより前に出して見たり

肘の高さを変えてみたり

足首の角度を変えてみたり

骨盤を立てて見たり

いろんな工夫をして自分なりにバイクの重心をとらえる事ができると

突然スライドが全く怖くなくなったりします。

あと、このバンク角に慣れるというのも恐怖心が抜けるし

バイクとの一体感が高まる事にもつながると思います。

#Yuta Okaya

なので、自分の愛車と少しづつ距離を近づけて

今まで以上に気持ちよく乗れるように練習ができればと思います。

あ、でも

8/10は夏休みの入り口なので

ムリして怪我しないようにやりましょうね。

過去のスライド練習の時の動画も貼っておきますので参考にしてみてください。

↑この動画みると、ストッピーの練習もしたくなります。

↑大森さんのスライドだけはいくら練習しても出来る気がしませんw

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